2012年3月9日金曜日

関さん『恥知らずのパープルヘイズ』について<2>

※以下 川名さん=川、清水さん=清、関さん=関、オザワ=オ


関さんの『恥知らずのパープルヘイズ』(上遠野浩平・荒木飛呂彦/集英社)についてのお話、2回目です。


川 「関さんて、漫画うまいですよね」

関 「一番理想だったのは、絵を描いてお金がもらえたらよかったんですよ。
   でも、そういうわけにいかなかったので。
   それに近い仕事をしているうちに辿り着いたのが、漫画を扱うデザイナー」


川 「ああ〜」


関 「なので、ラフも切れるんですよ。
   こんな感じでっていう絵が描けるので、
   イメージのキャッチボールがしやすいんです」

清 「じゃあ、カバーを描き下ろしてもらうときも
   場合によっては関さんが描いたりするの?」

関 「先にこっちでボールを投げちゃうんです」

オ 「こんな感じの絵を描いてっていうのを描いちゃうんですね?」

清 「ああ〜。今、おもしろい話してんなあ(笑)」 

川 (笑)

オ 「あ!これ!ラフですか?」

清 「この『パープルヘイズ』の!?」

川 「これは見たい!」


*写真をクリックすると拡大できます


















関 「ここまで、パン!て出しちゃうんです」

川 「焼き上がってるじゃないですか(笑)」

関 「とにかく荒木飛呂彦さんがお忙しい方なので、カラーはやめようと。
   基本的に銀色の本にしたい、ということをお話しして。
   この表紙のキャラクターはフーゴが放つ、
   パープルヘイズというスタンドなんですけど、
   (『ジョジョの奇妙な冒険』という漫画の設定)
   パープルヘイズは鎧を着てるようなキャラクターだったので外側を鎧にしようと」

川 「なるほど」

関 「できればメタリックな感じで行こうと。
   そして、パープルなんで、内側はもう紫で行こうと」




















オ 「おお!鮮やか!」

関 「ということで、三方吹き付けから、見返しから、すべて紫にしたんです。
   中は紫。それを包む、この鋼の本。
   鉄板みたいな本が、本屋さんにガン!って置いてあったらおもしろいかな、
   っていうところから始まった本ですね」

オ 「なるほど」

関 「今回はスタンドであるパープルヘイズの名前がタイトルに入っているので
   カバーはパープルヘイズがメインのイラスト。
   本来はスタンドなんで逆なんですよね。
   この内側のフーゴが前に来るはずなんです。
   でも、敢えて。
   タイトルのパープルヘイズに合わせて、スタンドが前に。
   で、中は逆にしましょう、ということで、本人が中」

川 「逆から決まっていったんだ」

関 「表と中が違うんですよね。
   ということで、それぞれ描いてもらえるか、打診してもらって。
   でも、荒木さんのほうから、おもしろいものが出るようであれば、
   こちらからも返して、キャッチボールしましょう、ということだったんですけど、
   『これでいいじゃない』ということになって」

川・清「ああ〜」

関  「『描きますよ』と言って下さって。
    『2点描けばいいんですね?』ってすぐにわかっていただけたんです」

川・清「なるほど〜」

オ  「川名さんや清水さんは、イラストレーターさんにイラストをお願いする際、
    どこまでのラフを描かれるんですか?」

川  「人によるけど...。だいたい描いちゃうかな」

清  「オレも、もう人によるね。
    絵の精度は別にしろ、指示するときもあるし、まかせちゃうときもあるかな」