※以下 川名さん=川、清水さん=清、関さん=関、オザワ=オ
長らくお待たせしてしまい、申し訳ありません。
年をまたいで1ヶ月ぶりの更新となってしまいました。
さっそく関さんの『恥知らずのパープルヘイズ』(上遠野浩平・荒木飛呂彦/集英社)についてのお話です。
関「この本は、アルグラス(キラキラした特殊な紙)でやりたかったんです。
だけど、結局、予算などの面から無理で、結果的に蒸着PETの銀になったんですよ」
オ「当初考えていたものではなかったんですね」
関「でも、本の出来上がりを見た時には、遜色なかったかな、って」
清「いやいや、効果的ですよ」
関「アルグラスのほうがよりギラッとするんですけどね」
川「そうですね」
関「インキとしては紫と黒と白と目のところの黄色だけで。
白はオペーク(半透明インキ)で、白を刷った上に紫もスミも乗せてます。
で、オペークの白を30%くらいにすると、半透明な感じになるわけです。」
川「え?じゃあ、これ、オペーク1回ですか?キレイに乗ってますね」
※オペークインキはなかなかきちんと紙に乗らず、2度刷りすることが多いのだそうです
関「そうなんですよ。
(鼎談時に言い切っていますが僕の勘違い。
後で確認すると制作の方で指示せずとも気を使ってくれて
2度刷りにしてくれていたそうです/関さん追記)
あと、これ、オビが。
『できればオビがないといいのに』って」
![]() |
オビが着いていない状態 |
川「関さん、オビを嫌うほうですか?」
関「モノによりますね。
『パープルヘイズ』の場合、オビはずした時の方が全体にギラギラ感が出るでしょ。
あと、この本は「ジョジョ小説プロジェクト」情報がメインだったんで
欲を言えばカッコいいキャッチ(コピー)メインでやりたかったなあ、と。
不思議と、いいキャッチに出会った時ってキレイに入りませんか?欲を言えばカッコいいキャッチ(コピー)メインでやりたかったなあ、と。
文字数もちょうどキレイに収まったりして」
川・清・オ「ああ〜」
関「僕の場合ラフの段階で仮キャッチを入れちゃったりするときもあるんですよ。
それをたまに、編集さんが「いい」って言ってくれて使ってくれるときとか(笑)
本来、編集さんがキャッチを考えてきてくれるものですが
時には一緒に考えることもありますし。
文字のバランスとか、いいとこで区切れるのができると、ほんとスッと入るんです」川「うん」
関「でも、このオビは情報なんで」
川(笑)
関「『どう入れよう?』って」
清「ああ、そういう意味か〜」
関「このオビの場合だと逆に情報量がたくさんあった方が
文字の大小もつけられてもう少しうまく収められたかなって」
清「情報の量として中途半端ってことだよね」
関「今回の場合は『ジョジョ小説プロジェクト』を伝えるのが最優先なので
仕方ないんですけどね」
いいモノができるときというのは、どんなモノにおいても、スッとできるのだなあ、と思いながら、このお話を興味深く聞いていました。
もちろん、苦労して苦労して試行錯誤を重ね、生まれる素晴らしいモノもあります。
しかし、そこに存在すべくして、なんの抵抗もなく何かができあがるときというのは、それに対し、なんとも言えない腑に落ちた感があり、受け手を自然に納得させるような力を持っていることが多いような気がします。
また、そのスッと何かが生まれる、というのは、この場合はコピーですが、対峙するものに対し、自分が愛を持てているときなんじゃないかな、と思います。
そうした愛のようなものをデザインから感じるときもありますし。
あくまでも、わたし(オザワ)の考察なんですけど。
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